OTHER / 2026.08.16
26/08/16 ネタバレ無し『みいちゃんと山田さん』最終話まで読んだ感想|救われないけど、この終わりは好き

本日8月16日、マガポケで『みいちゃんと山田さん』の最終話が更新されたので
さっそく最後まで読んでみました
今日読んだのは、第35話(1)・(2)「魔法のお菓子」から、第36話(1)・(2)「知らない知らない知らない」、そして最終話「山田さんとみいちゃん」✨
読み終わって最初に思ったのは、なんというか…あっけない終わり方だったなと
「ここで終わるの?」という、少し打ち切りのような感覚もありました
でも、しばらく考えてみると、綺麗に終わらないところまで含めて『みいちゃんと山田さん』らしかったのかもしれません
今回は最終話付近の大きなネタバレは避けながら、最後まで読んで感じたことを書いていきます
『みいちゃんと山田さん』は、2012年の新宿を舞台に、キャバクラで働く山田さんと新人のみいちゃんを描いた物語です
マガポケ公式では2026年8月16日に最終話を公開。コミックス第7巻の絵本付き特装版は9月9日発売予定となっています
2巻の頃に想像していた物語とは少し違った
2巻まで読んだ頃の私は、境界知能などの生きづらさを抱えながらも自由に生きるみいちゃんと、毒親に育てられて考え方が固くなった山田さんの物語だと思っていました
みいちゃんと関わることで、山田さんの考え方が少しずつ自由になっていく作品なのかな?と
でも、読み進めるほど、そんなに分かりやすい「救い」の話ではありませんでした
みいちゃんは山田さんを変えたと思うけど、その変化は山田さんを楽にしただけではなく、もともと抱えていた傷や不安定さまで表に出してしまったように見えます
みいちゃんを完全に理解するのは難しい
以前Xにも書いたのですが、実際のところ、みいちゃんを完全に理解するのは難しいです
みいちゃんは脳のキャパを超えると暴れ出すこともあり
本人なりの理由があっても、周囲からは「理解できない問題行動」に見えてしまいます
私がこの漫画から感じてきたのは、みいちゃんを通して、周囲が当たり前に処理している言葉や空気、危険を、同じようには受け取れない人の世界が見えてくることです
境界知能や知的障害という言葉と重なる部分はあると思いますが
私が登場人物へ診断名をつけたいという意味ではありません
みいちゃんの内側にある理由と、外から見える行動のズレ
そのズレによって本人も周囲も追い詰められていく様子を、綺麗事ではなく描いているところに
この作品の重さがあるのかな?と
「愛情はあった」で、いい話にはしない
最終話付近を読んで、みいちゃんの母親にも、認知や判断に難しさがあったが
それでも、みいちゃんへの愛情はあったんだと思います
ただ、愛情があることと、子どもを守れることは同じではない
「お母さんも本当は愛していました」で救いのある話にしないところが、『みいちゃんと山田さん』の良いところでもあり、辛いところでもあります
みいちゃんも、お母さんも救われない
そして考えてみると、みいちゃんの祖母と山田さんの母親には、本人よりも世間体を優先してしまう共通点があったようにも見えました
『システム・クラッシャー』と重なって見えたもの
これも以前Xにも書いたのですが
少し違う作品ですが、読んでいる間に映画『システム・クラッシャー』を思い出しました
感情を処理できず暴れてしまう少女ベニーと、救おうとしても受け止めきれない周囲。本人なりの理由はあっても、外からは問題行動にしか見えないところが重なります

どちらも、優しさや愛情だけで人を救えるわけではない現実まで描いています
だから読んでいて苦しいし、同時に真に迫るものがあるのかなと…
最終巻の山田さんには驚いた
特に最終巻では、山田さんの様子に異変が出ていて驚きました
山田さんは知能に問題があるわけではないけれど、毒親から受けた影響と、みいちゃんの死を引きずったことで、もともとの不安定さがさらに大きくなったのだと思います
山田さんはみいちゃんを理解しようとしていたし、実際に理解できた部分もあったはずです
でも、誰かを理解することと、その人を救えること。さらに、自分まで救われることは全部別なんだなと
救われない。でも私はこの終わり方が好き
良いエンドだったとは思えない
みいちゃんもお母さんも救われず、山田さんも傷を抱えたまま。正直、もう少し先まで読みたかったし、終わり方もあっけなかったです
それでも、私は好きだなと思いました
救われない。でも、だからこそリアルな物語だったと思います
もし最後に全部が綺麗につながって、みんなが少しずつ救われていたら、それはもう『みいちゃんと山田さん』ではなかったのかもしれません
「ここで終わるの?」という感覚まで含めて、この漫画らしい終わり方だった気がします。